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【理系でも読むべき】企業分析にIR情報を使わないのは正気じゃない

こんにちは、つじもとです。就職活動をするにあたり、必ず企業分析をやることになるでしょう。しかし、企業の新卒採用ページを見て曖昧だと感じたことはないですか? 数字が少なかったり、過去のことが見えにくかったり。というわけでそんな不安を解消し、より深く企業のことを理解できる方法を教えます。

「IR情報」を読みましょう。

IR情報とは

IRとは、Investor Relations(投資家向けの情報提供)のことであり、企業が投資家に向けて発信している情報になります。IR情報には、企業の業績やビジネスモデルなどが詳しく載っています。投資してもらうために、多くの情報を公開しているため、客観的に企業を調べることができます。ここでは、IR情報として、有価証券報告書について説明していこうと思います。

有価証券報告書とは

有価証券報告書とは、金融商品取引法で規定されている、事業年度ごとに作成する企業内容の外部への開示資料です。要は、

年度毎に企業内容について株主や投資家などに向けて公開される様々な情報が記載されている資料

ってことです。ここには、その年度の売上高だけでなく、事業系統図や事業の状況についても記載されています。そのため、企業の現状や将来性について数字で確認することができます。

どのように分析するのか

分析方法についてですが、いくつかポイントを押さえて、その部分を見るといいです。見るべき部分はこの辺りです。

上の3つについては個別に説明していこうと思います。説明には、楽天の2019年度の有価証券報告書を用いようと思います。

事業別(セグメント別)の売上高

企業は、単一事業を行なっている企業もあれば、複数の事業を行なっている企業もあります。企業によって、それぞれの事業が占めている売り上げも異なります。また、BtoCの事業は人目につきやすいため、企業の主要事業のように思われることもありますが、実は売り上げは多くを占めていない場合もある。また、あまり馴染みのない事業が企業の主要事業である場合もあります。例えば、楽天のセグメントはこんな感じになってます。

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2019年度の有価証券報告書のセグメント別売上高

インターネットサービスや最近CMでよく見るモバイル部門は、馴染みがある部門だと思います。しかし、楽天フィンテック事業においても、大きな売上高を占めていることがセグメント別で見ると分かります。このように、あまり世間一般からは見えにくい事業も企業にとっては大きな事業であるということがあります。そのため、こうした事業別の売上・利益を確認する必要があります。

損益計算書

これには、売上収益や営業利益などが記載されています。 f:id:satoru_tsujimoto:20200822172935p:plain この情報を複数年用いれば、企業の数年間の業績を追うことができます。

貸借対照表

ここには、企業の資産や負債について記載されています。 f:id:satoru_tsujimoto:20200822172447p:plain

それぞれの項目についての詳細や貸借対照表の数値を用いて算出されるいくつかの指標については、以下のサイトを参照していただけると幸いです。僕はエンジニアなので、指標はありがたく使いますが、わざわざ説明するのもおかしな話なので。 venture-finance.jp

IR情報を確認する上で注意すべきこと

注意すべき点としては、大きく2点あります。

  • 複数年のデータを確認すること
  • 競合他社との比較を行う

同じ指標を用いて比較したとしても、業界によって、データや比較する指標の基準は変わってきます。一概に、指標の値が100%より上だからいいというようなことはありません。そのため、他の企業分析を行うのと同時に、競合他社のデータとの比較を行なってください。また、新型コロナウイルスの影響で減収・赤字企業が増えたように、そのときの事業や経済状況によっても、売上高や利益は変化します。そのため、複数年のデータを確認するようにしましょう。

まとめ

小難しい話が多かったと思います。基本的に、理系の就職活動は余裕だとか言われますが、それは個人によるところもあります。しっかり抑えるべきことは押さえておきましょう。それに、「なぜ御社がいいのか」って言われたときに、

ちゃんと他社との違いを分かっている必要があります。

そのときにこうして調べたことは役に立つと思います。また、こうした情報は「入ったけど思ってたのと違いました」というミスマッチを防ぐ役割も持ちます。面倒ではありますが、ポイントを押さえてIR情報を活用し、自身の就職活動に役立ててください。